「父はむち、母はあめ」の役割分担が効果あり(涼子20才 摂食障害・過食症)|摂食障害 カウンセリング治療専門外来(過食症・拒食症)

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「父はむち、母はあめ」の役割分担が効果あり(涼子20才 摂食障害・過食症)

厳しくてもダメ、甘やかしも心配。さじ加減がわからない

過食になった子は「よく外出をする」タイプと「家にこもる」タイプとにわかれるようだ。両方ともそれなりに子どもの言い分を聞くとなるほどと納得がいく。今日は「よく外出をするタイプ」の涼子(20才大学生)のケースを取り上げてみる。

過食のひどい娘に対して親は、どうしても腫れ物にさわるようにハラハラ、ドキドキの対応をしがちになる。これが逆効果になる場合もある。しかし親がきつく言えばいいかというと、概してこれもマイナスにでて「過食が増える」原因になりがち。このあたりのさじ加減がわからないと、嘆かれる親御さんが多い。こんなとき二人の役割分担が非常に効果的である。涼子の外出にまつわる親子の会話場面を例にあげて「過食がひどくなった親子の会話」を、はじめに紹介する。その後セラピストのアドバイスを受けて「役割分担がうまくいき、過食がおちついた対応」を書いてみた。二つを対比して、いろんな場面に応用できるので試みていただきたい。

過食がひどくなった親子の会話。

過食がひどくなった親子の会話

涼子:ただいま(門限の11時を30分も過ぎている)

母親:おかえり、今何時やと思ってるの?連絡くらいしてきたらどうなの。心配したやないの。

父親:涼子、おまえはいったい何時に帰ってくるんや。誰といっしょやったんや。ここへ座って話ししてみ。

涼子:そんなことゆうたって。

母親:ほんまや、お父さんも心配してはったんやで。高校時代の千加ちゃんといっしょやったんやろ。

涼子:うん、そうや。

父親:千加ちゃん、ゆうたらこないだ家へ泊まりにきた子か?「あの子はすかん」ゆうたやないか。あんな茶髪にはでななりの子は家にあわん。そんな子とこんな遅うまでどこいっとったんや。

母親:お父さんな、あんなタイプのお嬢さんはお好きやないんやで。お母さんも同じです。

涼子:私の友だちのことまでとやかくいわんといて。

父親:今何時や思とんや。門限11時ゆうのわかってて遅くなってんのんか。その子にひっぱられてしもとんやな。

母親:門限だけは守ってね。

涼子:----(プイと自室へ。その夜猛烈な過食に。今までは一日一回だった過食が、その日から崩れて3ー4回に増える)

セラピストのアドバイス。

セラピストのアドバイス

「楽しい思いで帰ってきた涼子さんにしてみたら、突然二人からきびしく追求され最悪の気分でしょうね。過食が増えてしまったのも無理ありません。ここでアドバイスを二つに分けてお話します。

アドバイス1門限を過ぎたときの親の対応

門限が11時というのは、親子で決めたルールですか。これを破ったことについて厳しくとがめるというのは、親の毅然とした態度を通すという意味で大切です。あいまいにすることのほうがいけないと思います。しかし問題はですね、言い方です。これでは中学生の女の子に対する言い方のようです。涼子さんは20才の大人ですから、もう少し自主性を尊重した話しあいの方がいいでしょう。「どうして遅くなったの」とやんわり聞いてあげましょう。きっと理由があるはずです。結果として「お父さんもお母さんもきらい。わからずや。もう口きかないから」と過食に走ることのない対応を。理由を聞いて「そう、楽しいかってうっかりしたんやね。親は心配するから、今度からきをつけてや。11時すぎそうやったらできるだけ早く連絡いれてね。安心するから」と。こんなふうに言ってみられたらどうでしょうか。「そうか、親は心配してるんやな」と、納得すれば「今度から気をつけよう」という気もちになると思います。

アドバイス2父はむち、母はあめで役割分担を

この場面では二人で涼子を追いつめていますね。ほとんど理由も聞かず、ただ11時という門限のみを主張して。子どもを追いつめるときは、必ず逃げ道を用意してからでないと、逆効果となることが多いようです。ここで「あめとむち」の役割分担を二人にやってもらいました。厳しく叱る父親と、娘をかばう母親。前述の会話とどう違ったかを読みとってください。

過食が減った親子の会話。

過食が減った親子の会話

涼子:ただいま

母親:まあ、お帰り、心配してたんやで。

父親:ああ、おかえり。遅かったやないか。門限とっくに過ぎてるで。連絡もなく破ってはあかんやないか。

涼子:そんなことゆうたって。

母親:なんか理由があったんやなあ、涼子。それ聞いてやりませんと、お父さん。

父親:涼子、おまえはいったい何時に帰ってくるんや。誰といっしょやったんや。ここへ座って話ししてみ。

母親:ほんまや、お父さんも心配してはったんやで。高校時代の千加ちゃんといっしょやったんやろ。

涼子:そうや。千加ちゃんや。

父親:千加ちゃんゆうたら、こないだ家へ泊まりにきた子か?「あの子はすかん」ゆうたやないか。あんな茶髪にはでななりの子は家にあわん。そんな子とこんな遅うまでどこにいっとったんや。

母親:まあまあお父さん、そないに矢継ぎ早にゆうたら、涼子物も言えんようになりますがな。それに千加ちゃんは、なりははでやけど、明るいええ子ですよ。なあ、涼子。

涼子:うん、そうや。

母親:門限だけは守ろうね。お父さんもお母さんも心配やから。一本電話してくれたらえんやから。

涼子:うん、わかった。きょうはすみませんでした。これから気をつけます。

ふしぎと過食をする暇がなかったと、後で話していた。

このあと涼子は両親といっしょにテレビを見て、お茶をのんでふつうに寝入ることができた。ふしぎと過食をする暇がなかったと、後で話していた。

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 息子にカウンセリングの話をしても行きたがらないと思うのですが、どうしたらよいでしょうか。

 カウンセリングは初めてで、どんな場所でどんな形でするのか不安です。


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