つい先週のお話です。長年床にあった父が亡くなったという知らせが入りました。84才という高齢でもあり、家族のみんなも心の準備ができていたので静かに受け止めることができました。
それより一番気になったのは予約を入れておられるクライエントに連絡して、キャンセルさせていただかなくてはならないことでした。夜もおそく9時をまわっています。手帳をくりながら、一人一人の顔が浮かんできました。どの方も私の気持ちをさっしてお悔やみの言葉をかけてくださいました。その後で必ずと言っていいほど面接にたいする感想を言われました。ご遠方の方は「でも休暇もとって親子でカウンセリングに行く段取りつけ
ているんですよ。残念です」。「先生、一回ぬけるとしんどいんです。落ち着かれたら、すぐ連絡くださいね」「どうしましょう。娘がどんなにがっかりするか」。みなさんカウンセリングを心待ちにしておられた様子が受話器の向こうから伝わってきます。
一人一人の様子が気になります。過食がひどくなってはいないだろうか。あのお母さんは疲れはてておられないだろうか。ふさぎこんでるあの人はうつ状態がすすんでいかないだろうか。予約をキャンセルすることは、担当セラピストにとってもとてもつらいことです。それでも生身の人間ですから、いろんなことがあります。家族もおります。皆さんのかかえておられる悩みは、私にとっても例外ではありません。
今回「やむをえず予約面接をキャンセル」というできごとがあり、クライエントのご家族がどんなに当センターの治療に信頼を寄せてくださっているかをあらためて感じました。これからますます責任をもって、治療にあたらねばと思っています。
セラピスト 増井昌美




