病院から淀屋橋心理療法センターへと来られるクライアントが多い。話をきくと、すいぶん治療の仕方に違いがあることがわかる。同じ症状なのにこれだけ治療方法が違うのも、類をみないのではないかと思うときがある。
食べ吐きはいいが、罪悪感をもつのはダメ
A子:病院では『過食による食べ吐きはかまいません。でも罪悪感をもつのはダメです』と、言われたんですけど。ダメっていわれても、自己嫌悪や罪悪感は自然に起こってくるし。ダメっていわれるとよけいつらくって。私、もう治らないんじゃないかと不安なんです。
淀屋橋心理療法センターのとらえ方:過食症のあとに必ずといっていいほどやってくる自己嫌悪感と罪悪感。このためほとんどのクライアントは、食べ吐きのあとずいぶん苦しみます。100人いて100人とも「自分が嫌い」と答えるでしょう。「過食・嘔吐をあなた自身も決していいこととは思っていないでしょう。できたら、こんなことなんとかやめたいと。でもやめることができない。そんなジレンマがあなたに罪悪感を起こさせているんです。つまり罪悪感があるというのは、あなたが「過食をやめなくてはいけない」という気持ちの裏返しです。おつらいでしょうから、その気持ちも含めてカウンセリングでみていきましょう。ダメなのではなく、それがあるからいつか「治る」という希望も持てるのです。
薬で過食症は治るのかしら?
A子:病院では、5分から10分ほど話を聞いてもらった後、いつも薬がたくさんでるんです。飲んだあとふらふらしたり、神経がピリピリしたりして。ほんとに薬は、過食の治療に効くのかどうか不安で。飲み過ぎてるように思うので、何とか減らしたいんですが。
淀屋橋心理療法センターでは:まず過食をめぐるいろんなできごと、本人の行動のゆきづまりや家族との葛藤などをじっくり時間をかけて聞いてゆきます。それはあるある。次から次へと、毎日よくこれだけトラブルが起こると思うほど、過食をめぐって家族内に問題は起こっています。母親に日記をつけてもらって、面接のまえに送ってもらうということもお願いしています。その一つ一つをエピソードと言いますが、それをていねいに聞きながら、解決の道筋をさぐります。
最終的には本人に自分で立ち上がる力をつけてもらい、家族にもどう本人を援助したらいいかのアドバイスをだします。家族全体が機能し出すと、解決能力が伸びて過食症へ立ち向かう勇気が湧いてきます。一歩一歩重荷を背負うて山道を登るような歩みですが、セラピストの道案内を得て、本人と家族は手に手を取り合って治癒にむかって山登りをはじめます。
本人の成長が治療目標
摂食障害の治療のプロセスは、良くなりかけてはまた崩れ、また良くなりかけては崩れの闘いがつづく。その苦しさと闘いをとおして、本人の立ち上がる力がついていくようにセラピストは導く。徐々にではあるがその積み重ねが自力となって、崩れてもいつの間にか自分で立ち上がれるようになる。
また同時に本人のもつ持ち味、本質がのびのびと芽をだし、人間としての成長を促す。こうしたお手伝いをするのが、淀屋橋心理療法センターでの摂食障害の治療目標だと思っている。
淀屋橋心理療法センター
福田 俊一(所長、精神科医)
増井 昌美(過食症専門セラピスト)





